2015/12/07

求められるメディア

 このブログも、時折アクセス数をチェックさせて頂いていますが、あまりに閲覧数の少ないのが気になっていました。

 当然、その原因というか責任は、みなさんの問題意識とは合わないピントのズレた駄文を書いている筆者の責任ですがー。

 言い訳は後回しにして、今年も(一財)日本視聴覚教育協会より「視聴覚センター・ライブラリー一覧-平成27年度版-」が刊行されました。(注:平成27年4月現在の数値です。)

 この一覧が刊行されるたび、いつも気になる視聴覚センター・ライブラリー設置数で、本年度調査結果の数値では昨年比13施設減に止まっていました。

 しかし、現実は4月以降この12月までの間にさらに廃止や統合の情報が入ってきていますので、ホットばかりしては居られません。

 「もう、視聴覚ライブラリーの時代じゃないよ」と云う声が聞こえて来ます。

 確かに、録画やインターネットテレビで見るとか、PCやスマホで動画サイトから自分の見たい動画をアクセスして見るとか、またスマホで動画や写真を撮ったりするコミュニケーションツールとして利用するのが当然の時代になっている事は、どなたもご存じの通りです。

 視聴覚ライブラリーって、地域の学校や社会教育施設での学習、幼児や高齢者、障碍者等の施設、さらに同好会やグループ等の団体に“学び楽しむための映像コンテンツ“を貸し出したり配信したり、さらに映像コンテンツを自作したり、メディアについて学ぶ機会を提供する所ではないでしょうか。(むろん、地域によってそれぞれの機能の軽重はあるでしょうが)

 今から、十数年前に、すでに図書館等ではメディアセンター構想が言われており、視聴覚センター等でも声高に言われていました。
 それから、10年以上経った今、現実的に前述のメディア環境やニーズの変化により、公的なメディア施設は低迷を続けている状況に見えます。

 この状況から脱却するには、乗り越えなくてはならない様々な山坂があり明日解決!と言うような簡単な事ではありませんが、少なくとも、それぞれ公的メディア施設が自らの枠組みを超えて、今日的なメディアニーズに対応する機能連携や組織融合等の改革に早急に取り組む必要があるように思うのです。

 みなさん! 来年をぜひ良い年にしようじゃないですか!!

2015/11/01

新しさの底流

秋ー

 各地で教育関係の公開研究授業や研究大会が行われ、優れた授業研究の成果発表や、研究報告や協議・講演等が行われています。

 今日という時代に即した先端メディアの利用や学習方法等が注目されているのはご存じの通りです。
 しかし、あえて偏見を書かせて頂くならば、いつの時代も、その時代なりの先端メディアや教育方法が注目されたのですが時間経過とともに変化したり取り入れられる事なく消えて行った事実もあるようです。
 つまり、その時代の先端技術が一部の優れた学校で成功しても、ごく一般的な学校現場には、受け入れられなかったり、さらに新たなメディアや教育方法論の出現により消えた言ったと言うのが現実だったように思えるのです。
 優れた理論に基づく新しい技術や教育方法がクローズアップされると、その技術や教育方法を取り入れなくては、時代遅れになるのではないかという思いがあります。
 しかし、今日を含めてその時代時代に注目されたメディアや方法の理論や技術は進歩していますが、底流となる教育の基本的理念は、あまり変わらないと言うか変えてはならないと思うのです。

 では、視聴覚ライブラリーはどうかと言うと、全視連創立60周年記念特集号に、過去の考え方を「今」と言う視座から冷静に振り返って見ると、その中に現在や将来への伏線が見え隠れしている。と書かせて頂きましたが、あれから1年余経ってみても、当たらずとも遠からずと言う思いがします。
 私たちは、常に将来を見据え、現在を大切にする活動を続けているはずで、その原点となるのは、地域における人間としての生き方や学び、暮らしをサポートできるような映像コンテンツの制作や利用サービス、リテラシー育成にある事を忘れてはならないと思うのです。

2015/10/05

メディアコミュニケーション

 近年、コミュニケーション環境は、文字・音声・映像が一元的に処理される情報内容と伝達手段のマルチメディア化、扱うべき情報の専門性が深まる知識内容と処理手段の高度化、放送・通信・情報蓄積のメディアが相互融合するコミュニケーション・メディアの一体化などが急速に進んでいるようです。

 その結果、従来のマスメディアとパーソナルメディア、放送と通信、情報伝達と情報蓄積といった区分では対応できない領域が、重要性を増していると言えそうです。

 一方、このようなコミュニケーション環境の変化は、社会的に新しい問題も生み出しています。

 例えば、情報過多と情報格差、プライバシー侵害や、コンピュータウイルスの流行と社会の脆弱化、バーチャル・リアリティの蔓延と現実感の喪失等の社会問題などがあげられます。

 高度情報化社会で求められるのは、人間・情報・社会・文化・倫理といった幅広い視野に立った、情報テクノロジーを駆使できる力だと思います。

 全視連の調査研究でも“メディアコミュニケーション“という言葉を使っていますが、メディアには、テレビ、新聞、本、電話、手紙、電子メール、ウェブ掲示板、ブログ、さらに映画、演劇、音楽、などがあり、マスメディアからパーソナルメディア、オールドメディアからニューメディアまで、何らかのメディアを用いるコミュニケーションを広くメディアコミュニケーションと考えています。
 高度情報化社会の要請に応えて、新しい時代のメディア・リテラシーと、情報内容に対する的確な判断力、洞察力が求められている事を再確認し、これからのメディアセンターのスタンスを考える必要があると思うのです。

2015/09/04

視聴覚ライブラリー・その課題

 合同大会も盛会裏に終了し、参加者や学識経験者の方々の大会についての評価は高いようです。

 “アクティブ・ラーニング”“とICT活用をメインテーマに据えた、今までをひとつ抜け出した、フレッシュな合同全国大会であったと云えそうで、次年度第2弾が期待されています。
 さて、生涯学習関係つまり全視連関係の部門はどうでしたでしょうか?

2日間のパネル討議や研究協議を拝聴していて、選ばれたパネリストや発表者だけに優れた実践内容とコメントには納得させられるものがありました。

 さて、今回の研究協議等に期待された事のひとつに、ICT化が進むメディアの中で、依然として映画やビデオ貸し出し中心でその貸出も減少傾向にある視聴覚ライブラリーをどうすれば今日的なメディアニーズに対応できるかという問題があったと思うのです。
 しかし、毒舌で恐縮ですが、視聴覚ライブラリーの根幹的問題であるのに、視聴覚ライブラリーに関わる行政はどう対応しているかと云うと、あまり積極的な姿勢は見られないような気がします。

 視聴覚ライブラリーを担当する方は、今、現実に関わっている業務である視聴覚ライブラリーを、学校や生涯学習関係施設や自主グループの学習活動に役立つよう、事務的な仕事から技術的なサポート、さらには研修企画等々に取り組まなくてはなりません。

 それは、視聴覚ライブラリーに限った事ではなく、他のメディア関係組織や団体でも言えると思うのですが、大きく展開するICT化社会の中で、視聴覚ライブラリーは本当に今のままでいいのでしょうか?

 冷静に考えると、視聴覚ライブラリーを従来の“教材貸出業“的概念で固定的に見ている限り、もう”卒業”と言われても仕方がないような気もします。

 理屈だけでなく、地域の事情や特色を踏まえつつ、視聴覚ライブラリーが、地域の学校教育や生涯学習等に役立つ機能を持ったメディア利用のハブとなるにはどうすればよいのか、利用者のニーズを基に、従来型の組織に拘らず、地域にフィットした柔軟なメディア組織の在り方を、みんなが一緒になって考える時期に来ている様に思うのです。

2015/07/26

全国大会間近か!

 全国大会も間近かになりましたね

 今年は、8月4.5日開催で、暑い東京の夏を満喫(?)して頂く事になりそうです。
 さて、わが全視連関係は、4日に「地域再生を目指したメディア利用の可能性と課題」をテーマにパネルディスカッションを行うようになっており、国内各地で活動しているグループや視聴覚ライブラリーの活動の様子を中心に話し合って頂く予定です。

 5日は、「地域映像の制作配信システムとその活用」と言う主題で研究協議を行う事になっています。

 今年の全国大会は“アクティブ・ラーニングに向けたICT活用のツボ”をキャッチコピーにして“ICT活用による授業改善”を取り上げて、先端的な研究発表やワークショップそしてスペシャルトーク等が組まれています。

 年に一度の全国大会ですから、ぜひ参考になる情報を持って帰って頂ければ幸いと思っていますが、只、先端的な理論や実践そして指導を丸呑みしてはいけないと思うのです。
 何故なら、それが貴方の担当する視聴覚センター・ライブラリーあるいは生涯学習センターや図書館などが抱えている現実的な課題や方向性とのマッチングという極めて大切な問題があるからです。
 筆者が望むことは、メディアサービス施設としての存在価値の希薄化と言う現実をどう改善するか、似たような状況下で成果を上げている方々や、問題を抱える方々と情報交換したりする機会にして頂けたらと思うからです。
 美味しい話は、誰でも好きです!
 しかし、古い流行歌ではありませんが、“一日一歩三日で三歩、三歩進んで二歩さがるー”です。
 夢でなく、確実に改善するヒントを得て帰って頂けたらと思います。

 では、大会の会場でお会いしましょう!!

2015/07/16

ラジオの時代



「マイクの旅」と云っても知っている人は少ないでしょうね。
 テレビ放送が始まったばかりの頃、家庭ではラジオを聞くのが主と云う時代でした。
そんな時代でしたが、どうしても子供達に聞かせてやりたいNHKラジオ学校放送番組があったのです。
それが4年生社会科の「マイクの旅」でした。
テレビは放送が始まったばかりの頃で、学校でテレビを見せるなんて事は、出来そうもない時代でした。
しかし、ラジオの学校放送は、定着しており、今日同様、研究指定校の放送教育公開研究会の授業等で、ラジオ放送を聞かせているのを見て、俺の学級の子供達にも聞かせてやりたいと思ったのです。
そんな思いは兎も角、実は、学校には、職員室や校長室等のある本校舎を除いて、教室には電気が引かれてなく、夕方になると真っ暗になり仕事も出来ない状態でした。
普通、それだけでラジオを聞かせる事は諦めてしまうのでしょうが、よし!他にいい方法はないか悪知恵を働かせるのです。
次の日曜日、東京の秋葉原に行きました。
そして、当時としては珍しい携帯ラジオを買いました。大きさはA4版くらい、電池が大きくて重い上、20時間くらいしか持たないものでした。
 次の週の社会科の授業は自分達の住む地域についての学習でした。
 授業が半分くらい進み、私は次のような質問をしてみました。
 「みんな!この九十九里浜ではね、昔は一杯鰯が獲れたのを知っている?」
 「知ってる!知ってる!夏よー、浜へ行くと漁船が一杯あったよ。」
 「おっぺし”がよー、みんな真っ裸で舟押していたよ!」
 など自分の知っている事を口々に叫びました。
 「でも、いまは何故鰯が獲れないのかな?」
 子供達は黙りました。
 「よ-し、今日はラジオ学校放送の“マイクの旅”という番組を聞いてみよう!」
 「えっつ!ラジオ?」
 先週買ってきた携帯ラジオを教卓の上に置くと、子ども達は、みんな珍しそうに小さなラジオを見つめました。
 スイッチを入れると、マイクの旅の主題歌が流れ番組が始まりました。
 マイクさん(寅さん映画で有名なタコ社長役の故太宰久雄さん)が、九十九里浜の漁業について、昔は鰯の沢山獲れた事、それが今は殆ど獲れなくなった事を話していました。
 当時、占領軍が九十九里浜主として今の片貝海岸当りに駐屯し、毎日、海に向かって高射砲を打つ訓練を続けていたのです。
 むろん潮流の変化等も要因なのですが、高射砲の射撃訓練のため漁船は漁に出られないし、鰯の魚群も九十九理浜から姿を消してしまったと言うのです。
 子ども達は、シーンとして携帯ラジオから聞こえてくるマイクさんの話を真剣に聞いていました。
 「マイクの旅」のエンディングで、遠く占領軍が射撃訓練をする大砲のドーンドーンと響いてくる音をバックに、マイクさんが海に向かって叫んだのです。
 「鰯よー!どこへ行ってしまったんだ!早く帰ってきておくれー!」
 女の子は声をあげて泣き出しました。
 じっとうつむいている男の子もいました。
 聞き終わって、社会科「九十九里の漁業」の勉強に取り組む子供達の、学びたい!と言う真剣さは、数十年経った今も忘れることが出来ません。
 ラジオがこんなにまでも、子供や教師の心をつかんで離さなかった昔の話です。

2015/06/25

地域視聴覚ライブラリー機能改善調査で考えたこと

 昨年度、東北ブロック及びK市、H県S山市の専門委員の方々の協力を得て、実施したアンケート調査「地域視聴覚ライブラリーの機能改善に関する調査」がまとまりまもなく全視連WEBサイト上にUPされると思います。
 設問づくりから内容検討、そして集計分析とご協力頂いた関係者の方々に改めて御礼申し上げます。
 このアンケート調査には、23加盟団体及び、専門委員とそのOBの方々と地域の教育メディア関係者32名から、合計55回答を頂きました。

 さて、今回のアンケート調査の結果をまとめながら野次馬的と言うか、評論家的に見ると、意外な事に気が付きました。

 それは、加盟団体の回答と現元専門委員や教育メディア関係の方々の回答にいささかズレを感じたのです。

 ここでは多くの例をあげる事は出来ませんが、例えば、「地域におけるメディア利用の現状」について、“視聴覚メディア利用が中心”を選択しているのは加盟団体が回答数の60%近くを占めているのに対して、現元専門委員や教育メディア関係者の選択13回答で22%に過ぎない事に現状認識の差が出ている様に思われました

 逆に「地域のメディア利用のニーズ」では、“タブレットやモバイル活用ニーズが高い”という選択肢に対して、現/元専門委員や教育メディア関係者は20回答で34%近く選択しているのに対して、加盟団体担当者は6回答で約17%に過ぎない所に温度差を感じました。

 一口に温度差と云いましたが、アンケート結果全体の傾向を見てみると、加盟団体の回答の特徴は自らが置かれた立場での現状認識に基づいた回答傾向がみられるような気がしますし、現/元専門委員や教育メディア関係の方々の回答は客観的に時代や社会の流れを踏まえ、あるべき姿を考えて回答を選択している傾向が読み取れるような気がするのです。

 かくあるべきだと地域視聴覚ライブラリーの姿を目指すとともに、地域視聴覚ライラリーが置かれた現状を冷静に受け止めて、地域のニーズを踏まえた視聴覚ライブラリーとして実現可能な機能を考えるべきではないでしょうか。

2015/06/12

新教育映像利用研究について

先日、全視連事業のひとつ「新教育映像利用研究」について、教育映像製作会社の出席を頂き打ち合わせ会が行われました。

ご存知の様に、この事業は、視聴覚センター・ライブラリー等視聴覚教育関係施設に、優れた市販教育映像作品を研究協力価格で頒布し、その作品についてアンケート調査をして頂き、結果を各教育映像製作会社に提供し、これからの教育映像作品の製作に生かして頂く事をねらいとしています。
しかし、新教育映像利用研究事業に研究協力頂く視聴覚教育関係施設の数が、減少しており、今年度は新たに各加盟団体にお願いして視聴覚センター・ライブラリー以外の生涯学習関係施設等にも参加して頂けるようになりました。

市販教育映像パッケージメディア(DVD教材、映画教材等)の利用が減少傾向にある中で、優れた市販映像コンテンツを購入し、グループや集団での上映会、学習や講座等で利用する事のメリットを再確認する必要があると思うのです。
しかし、なかなか理想通りにはいかない現実が見え隠れしています。
(注:平成26年度視聴覚センター・ライブラリー一覧より)

間もなく、各加盟団体に「平成27年度新教育映像利用研究事業」に関する、文書が送られる事と思います。
この事業は、視聴覚ライブラリーの原点でもある「映像メディアによる学習機会の充実」を意図したものだと思うのです。
多様化したメディアの時代の中で、市販映像パッケージメディアの良さをぜひ再確認しこの事業に研究協力して頂ければと思っています。

2015/05/17

組織を支えるもの

 遅いブログですみません。

 今年度も、役立たずかも知れませんが、いろいろとつぶやかせて頂きたいと思っていますので宜しくお願いします。

 K視聴覚教育センターは、今年創立40周年を迎え、「開かれたAVEセンターを目指して」という記念誌を発刊されましたが、40年という長い間、しっかりとした理念と実践を基に活動を進めてきており、さすが日本有数の視聴覚教育センターと感心させられました。
 だからと言って、古い視聴覚教育に拘泥している訳でもなく、と云って今日的なICT化の流れにただ便乗している訳でもなく、常に自らのスタンスをしっかりとって活動を進めている事がわかります。

 K視聴覚教育センターが、日本のトップレベルに居るキーワードは、いつの時代も、常に、学校教育をはじめ地域の学びに必要な事は何かを考え、行政組織として、地域の思いやニーズを踏まえ「共に」活動してきた事にあるような気がします。

 実際には、いろいろな問題や苦労もあった事と思うのですが、それを乗り越えて頑張って活動をする姿勢と行動が、「俺たちも協力しよう」「一緒にやろう」という協働の状況を作り出しているのだなと感じました。
 これからも、自らの置かれた状況を冷静に判断し、常に現在から将来を見つめ、学校教育をはじめ地域に役立つ“信頼されるセンター“として活動を進めて欲しいと思うのです。

2015/02/16

生きている!アナログメディア

東日本大震災による津波で、16㍉映写機も失った、被災地の視聴覚ライブラリーへ、使われていない16㍉映写機を保有している所があるなら、被災地の視聴覚ライブラリーへ送ろうという運動を展開したことを思い出します。

毎年、年度末になると、16㍉映画フィルムの廃棄届が提出されたり、**視聴覚ライブラリーが廃止になるとか、**県の加盟団体が退会するそうだというような辛い話が伝わってきます。

しかし、そう云うネガティブな話題もさることながら、よく情報収集してみると、各地で、同好会やボランティアグループによる映画や紙芝居の上映会上演会、地域映像の自作や配信が静かに行われている所もある事が見えてきます。

4kテレビ映像だ、Youtubeだ,スマホ動画だと、新しい映像メディアが増えて、誰もが気軽に利用されている反面、メディアが悪用される事も増えています。

このように多様化したメディア環境を有効に扱う知識や能力が、今日、最も必要な時代になっているとも言えます。

アナログ発想による上映会や紙芝居会も、只、見るだけでなく、先端メディアだけではフォローしきれない、上映会上演会に参加している人々が、お互いの顔や表情を見つめ合いながらコミュニケーションできる利点を持っていると言えます。

超高齢化社会と言われ、ひとり暮らしが増え、誰かと話す機会すら減ってきている時代に入り、仲間と映画や紙芝居を見ることにより、メディアを媒体として、思いを共有したり、話し合ったりして、生きる気力を養う事を可能にしていると言われます。

所で、現在、全国にどれだけの16㍉映画フィルムが所有されていると思いますか?

今年度の調査によれば、総計約22万4千本もの映画フィルムが保有されており、古くて利用価値の少ないフィルムや修復不可能なフィルムもありますが、中には貴重な映画フィルム等もあると思うのです。

こんなに多くの映画フィルムがゴミになる可能性が高いのです。

また、その映画フィルムを上映する映写機も、相当数ありますが、故障したら部品の補充が出来ず、放置されたり、捨てられたりしています。

別に、16㍉映画復活論を述べようとしている訳ではありません。

例え一時期的にしか、使えなくとも、これらのアナログメディアを、映写機を使って見せたと云う要望があれば、修復し、部品交換をするとか、費用の問題も出てくるでしょうが、貴重だと考える16㍉映画フィルムをデジタル化するサービスを行うシステムが出来ないだろうか?と言う事です。

被災地等でのボランティア活動のように、関係者が持てる力を出し合って、自主的に環境整備サービスを行い、地域の上映会活動をサポートすることによって、メディア利用基盤の整備をフォローし、やがて、さらなる新たなメディアニーズにも繋がるのではないでしょうか。

現実的には、実現不可能かもしれませんが、誰かが声を上げ、“そうだやってみよう”という同感者が現れる事を期待したいのです。

2015/01/19

”ブログ全視連”を考える

 スミマセン!愚痴ブログです。

 このブログをUPしてから、8年の間、視聴覚メディアや視聴覚ライブラリーの話題、ICT化をめぐる話題等を月1回程度の割合で書いてきました。

 しかし、心密かに悩むのは、アクセスが非常に少ない事、つまり読んで頂けないと言う事です。

 いつもアクセス状況を見させて頂いているのですが、これが個人的なブログよりもはるかに少なく、つまり読んでいただけないという事です。

一方的な情報発信だけのブログになってはいけないと常に気を付けているのですが。

 と言うより、このような内容のブログでは、視聴覚センター・ライブラリー関係の方々のお役に立たないのではと、最近は再考しいます。

 貴重な予算を使わせて頂きながら、お役に立たないテーマで、読まれる方も少なくて、コミュニケーションの場にもならないブログでは、どんな事を書いても意味がないと思うからです。

 それなら、むしろ “ブログ全視連“を止めるか、もしくはもっと積極的にそれぞれの地域の方々とコミュニケーションできるブログに、再度リメークした方が良いのではないかと思い悩んでいます。

 そのためには、例えば、関係者の方々に交代で書いて頂き、みんなで作り上げるブログにしたらどうかなと、思っているのですがー。

2015/01/07

造花と生花

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

本年も、「ブログ全視連}をよろしくお願い申し上げます。

昨年5月のこの欄で“地域に役立つライブラリー”という駄文をUPさせて頂きましたが、その中で、次のような事を書かせて頂きました。

「元来、視聴覚ライブラリーは、地域における学校教育や社会教育をメディア利用の立場から、縁の下の力持ち的な役割を担ってきたはずです。

地道に粘り強くしかも柔軟な発想のもとに、一段一段階段を上るように、現実的に実績を示しながら地域のニーズに対応した視聴覚ライブラリーへとリフレッシュすべきではないでしょうか。」

視聴覚ライブラリー担当者は、実践者ですから、高邁な理論で右往左往するのではなく、しっかりとメディアに関する理論や今日的状況を認識しつつ、日々の事業活動を地味に且つ確実に成果を上げる事が使命だと言いたかったのです。

かつて、筆者の上司だった故某先生が校長時代に、その著書のなかで「造花と生花」と題して次のような事を書いています。

「桜の苗木を植えて、育てて、花見をするまでには長い年月の管理と努力が必要だが、造花を美しく飾り立てたり、賑々しく花火を打ち上げて、花見興行をするのは短期間でもできるだろう。

教育でもこれに似た前者的なゆき方と後者的なゆき方がある事に気付く。

変貌する時流の中で、ともすると後者的なものに目を奪われやすいが、教育の仕事は一朝一夕でできるものではない。」引用文献:校長談義 猫はやっぱり猫 より

教育とは、本来地味なものです。



こじ付けかも知れないが、視聴覚ライブラリーの仕事もそうだと思うのです。