2015/10/05

メディアコミュニケーション

 近年、コミュニケーション環境は、文字・音声・映像が一元的に処理される情報内容と伝達手段のマルチメディア化、扱うべき情報の専門性が深まる知識内容と処理手段の高度化、放送・通信・情報蓄積のメディアが相互融合するコミュニケーション・メディアの一体化などが急速に進んでいるようです。

 その結果、従来のマスメディアとパーソナルメディア、放送と通信、情報伝達と情報蓄積といった区分では対応できない領域が、重要性を増していると言えそうです。

 一方、このようなコミュニケーション環境の変化は、社会的に新しい問題も生み出しています。

 例えば、情報過多と情報格差、プライバシー侵害や、コンピュータウイルスの流行と社会の脆弱化、バーチャル・リアリティの蔓延と現実感の喪失等の社会問題などがあげられます。

 高度情報化社会で求められるのは、人間・情報・社会・文化・倫理といった幅広い視野に立った、情報テクノロジーを駆使できる力だと思います。

 全視連の調査研究でも“メディアコミュニケーション“という言葉を使っていますが、メディアには、テレビ、新聞、本、電話、手紙、電子メール、ウェブ掲示板、ブログ、さらに映画、演劇、音楽、などがあり、マスメディアからパーソナルメディア、オールドメディアからニューメディアまで、何らかのメディアを用いるコミュニケーションを広くメディアコミュニケーションと考えています。
 高度情報化社会の要請に応えて、新しい時代のメディア・リテラシーと、情報内容に対する的確な判断力、洞察力が求められている事を再確認し、これからのメディアセンターのスタンスを考える必要があると思うのです。