2021/09/30

自作視聴覚教材コンクール(社会教育部門応募作品の傾向)

 1974年に始まった「全国自作視聴覚教材コンクール」は、本年度で第47回(昨年度はコ中止)となりますが、その参加作品の傾向を見ると、当初は学校教育関係が大半を占め、社会教育部門は多くはありませんでした。
 メディア別に見ても、開始当初自作教材メディアの中心であった8ミリ映画教材やスライド教材が30年位前からあまり見られなくなり、変わって映像教材としてビデオ教材が多くを占めるようになっています。

1、社会教育部門と紙芝居
 メディアの進化と共に大きく変わりはじめ、これまで多くを占めていた学校教育部門の参加作品数に対して、社会教育部門の参加作品数も大幅に伸びはじめ近年では参加作品総数の凡そ半数を占めるようになりました。
 社会教育部門で注目したいのは紙芝居作品で、ICTメディア環境が進む中、アナログメディアの紙芝居が定着し、今日まで安定した参加状況示しており、今年度も紙芝居19参加作品に対し7作品が入選2作品が入賞しています。

2、個人と自作グループ
 社会教育部門の映像教材や紙芝居教材というと、常に優れた自作教材を応募して入賞していた個人作品が有名でしたが、近年は、それぞれの地域に伝わる伝統行事や昔話等を、受賞経験を積まれた方が中心となって地域の方々とグループで自作教材づくりに取り組んでいる傾向も見られます。

 このことは、紙芝居を自作する地域グループに限らず、本年度映像教材応募作品の傾向を見ても、大学ゼミや地域の中学校高等学校そして生涯学習施設の学習サークル等が地域題材をテーマに企画した自作教材に優れた作品が多く見られるようになっている事に注目したいと思います

3、動画サイトと教材づくりの一般化
また、今まで自作映像教材と言えば、優れた映画制作技術を持たれた方の作品が突出していましたが、YouTube等動画サイトの自作や利用普及に伴う、動画づくりの表現技法の変化等により、アナログメディアの紙芝居づくりも、その利用を含め今後の自作の方法や表現方法、利用方法も変化して行くように思われます。
 第1回「全国自作視聴覚教材コンクール」から本年度の第47回まで都道府県別に見ると継続して参加されてきた宮城県、山形県、愛知県等をはじめ、常に積極的に取り組まれてきた都道府県の団体や個人の方々のこれからの取り組みに注目したいと思います。