2017/07/26

情報発信を考える


 あるブログにこんなことが書いてありました。

「団体や施設に限らないが,広報・情報発信の労を惜しむと、途端にその求心力は失われてしまうと思うのです。
 俗にいう“ヒト・モノ・カネ”の乏しい団体や施設は、情報しか戦うツールが持てない事を痛感しているのです。」 とー。
 このコメントは“いいね!“だと思うのです。
 というのも、雑誌視聴覚教育の全視連ページの片隅に、“ライブラリーNow”と言う小欄を4月から掲載していますが、その情報を得るために全国の視聴覚センター・ライブラリーのホームページにアクセスし閲覧しているのですが、組織的に安定している道府県立のセンターや、実績のある地域視聴覚ライブラリーは兎も角、かなり寒い状況が浮かび上がってきます。
 つまり、冒頭述べられたような情報発信を行っていない視聴覚ライブラリーが多く見られ、ホームページは持っているものの、ただ視聴覚教材の貸し出し情報つまり所有している映像教材名やその貸し出し手続きだけしか情報発信していない所もかなり多い事がわかります。

ある視聴覚ライブラリーにアクセスしてみたら、1年以上前から更新していないホームページに出会いました。

一言で云々言うことは如何かとは思いますが、視聴覚ライブラリー自体の存在感が薄れてきている今日、視聴覚ライブラリーは、地域のメディアニーズに対応した事業活動を行っている事をしっかりと情報発信する事が大切だと思うのです。
 それぞれ事情もあるとは思いますが、情報化社会(こんな言い方も古くなりましたが)の今日、ちょっとした工夫と手間暇をかけて、地域の生涯学習にフィットした情報発信を行うべきではないでしょうか。

2017/07/10

事業活動を支えるもの

 今から40数年前に、C県T市で、日本で初めて当時の日本電信電話公社(現在のNTT)の電話回線を使った有線テレビによる教育放送が行われた事を知る人は少なくなっており、記録もあまり残されていないようです。
そこで、当時の関係者が「T市教育放送センターの記録を残す会」を立ち上げ、設立の趣旨、活動、そして中断、廃止と言う経緯を「T市教育放送センターの真実―インターネット遥かー」と言う冊子をまとめてられました。 
その頃の活動を知るひとりとして、感慨深いものがあり、その活動の中心となっていた知人Ⅿ氏が話していた苦労話を思い出します。 


 さて、ここでは、T市教育放送センター設立そして中断の背景にあったと推測される“ひと・もの・金”について触れてみたいのです。
当時、T市教育放送センターは、最先端を行く教育理論と技術により、T市内小中学校や公民館を有線テレビで結び、今日でいうアクティブラーニングや学校枠を超えた協働学習のためのテレビ教材を制作し放送していたのです。


 しかし、前回の“温故知新“でも書かせて頂きましたが、ただ優れた理論だけでは、この教育放送センターのように、継続することが難しい現実に突き当たってしまうのです。
ひとやモノに恵まれ、最先端の理論と教委や学校関係者の努力、更には学識者、企業関係の支援があっても、その実践活動を支える実施計画や環境整備、技術進歩への対応を推進するためには、国の施策や市の総合計画との関係、特に財政的裏付け等がきちんと行われていなければ、更なる充実や継続は難しいと思うのです。
関係者の血のにじむような努力や協力により実現した日本初の有線テレビによる地域の教育放送が、僅か、数年で中断されたT市教育放送センターの真実は、現在、ICTを活用した教育に取り組む方々にとって、貴重な示唆となっていると思うのです。
 

2017/06/22

温故知新


近年の傾向を見ると、図書館の一部機能として視聴覚ライブラリー的活動を行っている所も増えてきています。
 確かに、動画や写真等の映像資料の蓄積貸し出し、個々の学びや趣味等での利活用という視点から見ると納得できます。
 カビの生えそうな私見ですが、視聴覚センター・ライブラリー機能の特徴は、学校教育や社会教育、団体やサークル活動等”団体利用”をサポートする事にある事を思い出して欲しいのです。
 つまり所有する市販映像教材や機材等の団体貸し出しや、地域映像教材の制作、また自作するための技術支援や講習、それらの映像を蓄積保存して貸与することが視聴覚ライブラリーの役割なのです。
 もう”視聴覚教育の時代は終わった”と、声高に言われ、インターネットやデジタルコンテンツ等の利用等々ICT利用が中心となっており、時代を考え将来を見通した時、その通りだと思います。
 しかし、温故知新と言われますが、今から、四十数年以上前、すでに今日のネットやテレビ等を利用した教育システムと同様の発想で、技術やシステムの差こそはありますが、映像資料等を制作収集して提供を行っていた県や市があった事を知る人は少ないと思うのです。
今、市販映像教材に加えて、地域映像等のアーカイブスと多様な提供システムで、生涯学習に役立つ視聴覚ライブラリーの存在価値が問われているように思うのです。

2017/05/28

講師派遣事業について

  まもなく、5月も終わり、6月に入ります。
 今年初めて、視聴覚メディア関係の仕事に関わられた方々も、もう、仕事に慣れてきた頃かと思います。
 新しい仕事に着かれると、最初の1、2か月は、いろいろな面で、プレッシャーもあり、心身両面で疲れる事と思います。
さて、その仕事の話ですが、本年度も、事業計画の中に、”講師派遣事業”が盛り込まれているのはご存知の事と思います。
 この事業は、もう数年間続いて実施している事業なので、先走りする話で恐縮ですが、例年この事業を活用される団体が比較的多いようです。
 もし今年度講師派遣事業で講師派遣を申し込もうかなと検討されている団体があれば、早めに事務局と相談頂くと良いかと思うのです。

 この事業では、全視連として講師をお願いした、ICTはじめ放送・視聴覚メディア関係の学識経験者の先生方に指導助言頂き、地域の教育メディア利用の発展充実を狙いとしている事業です。 よく”協働体制の大切さ”について、いろいろなところで、コメントしてきましたが、この講師派遣事業は、加盟団体と全視連との協働事業だと思います。
 講師の先生方のお名前等は、後日視聴覚教育時報等等でお知らせすることになると思いますが、講師派遣を希望される団体は早めに申し込まれた方がよいかと思います。 
 むろん、講師の先生方のご都合や費用の問題もありますから、期日や講演内容等を事前に事務局と早めに相談頂いて内諾を頂く事が最優先ですがー。
 もうひとつ、この講師派遣事業で案外知られていない事があるのです。
 それは、全視連がお願いしている講師の先生方だけでなく、団体自体が依頼予定している講師の場合でも、事務局に相談頂き、事業目的に沿っておりしかも予算的に可能な範囲内であれば同じように取り扱うという場合もあるという事です。
 ただ、前述のように、例年申し込まれる団体が多いので、早めに事務局とご相談いただく事が必要かと思います。

2017/05/06

確かなメディアサービスのために


  連休明けに、チョット辛い情報ですが、充実した活動と優れた実績を持つ、ある県の視聴覚ライブラリー連絡協議会が解散しました。
この県は、県視聴覚センターをはじめ県内の地域視聴覚ライブラリーは、自作視聴覚教材やICT化研究、確実な視聴覚メディアの利活用などにより、日本の視聴覚教育発展を支えてきたとも言えます。
しかし、ここで、注目したいのは、この県の場合、県視聴覚ライブラリー連絡協議会と言う連合体は解散しても、国レベルの団体つまり全視連には、県視聴覚センターはじめ、各地域視聴覚ライブラリー個々が「賛助会員」として参加する方向で進んでいる事です。
 “時代の流れ”と、言ってしまえばそれまでですが、近年、映画フィルムやDVD教材の“団体貸し出し“だけの地域視聴覚ライブラリーの存在意義が薄れ、16ミリフィルムを廃棄しての店仕舞い的状況が見え隠れしているように思うのです。
しかし、改めて考え直して見たいのです。
今日のメディア利用の状況を冷静に見ると、地域のメディア利用や学びを支えるためのサービス機能は不要になったわけではなく、むしろ形や方法を変えた新たなメディアニーズは増してきていると思うのです。
 視聴覚ライブラリーは、従来の“貸し出し業“に拘らず、常に時代の、あるいは地域のメディアニーズに対応できる体制を再検討すべきではないでしょうか。
 そのためには、同じ立場の地域視聴覚ライブラリー同志が、学びの機会を共有し、情報交換し、共助したり、事業連携し、同じ目的を持って進む仲間同士として、自地域のメディア利用を充実させるための協働体制が必要だと思うのです。
この県視聴覚ライブラリー連絡協議会は解散しましたが、それぞれの地域視聴覚ライブラリーが、全視連という協働団体に「賛助会員」として参加する事は、新たな形での協働体制を維持するための選択肢として歓迎すべきことだと思います。

2017/04/19

全視連推薦作品調査研究事業でーす!


 ”全視連推薦作品調査研究事業”・・・、昨年度「新教育映像教材調査研究事業」から事業名を変えました。
 チョット小難しい事業名とお思いでしょう?、以前一度か二度書いた記憶がありますが、且つては国の補助事業であったのを、変わって自主事業として始めたものなのです。
 国が教育映像の利用普及を進めるために各視聴覚ライブラリーの映像教材購入費用の一部を補助する事業で、当時はかなり多くの視聴覚センター・ライブラリーが映像教材がこの補助事業によって購入されていた記録が残っています。
 しかし、以来十数年以上経過し、購入予算の乏しい視聴覚ライブラリーや生涯学習施設等は、映像教材そのものの時代変化もありますが、購入する機会を大幅に減らしているようです。
 そこで、賛助会員である映像製作会社等の協力を得て、映像教材の購入を、全視連の“調査研究事業”として、アンケート調査により利用者の情報を製作者に提供することを条件に、調査研究対象価格(購入価格)で頒布する立ち上げた事業が、この全視連推薦作品調査研究事業なのです。
(詳しくは 
http://www.zenshi.jp/report.html#a1 をご覧ください。)

つまり、全視連を通じて、一般利用者の考えを製作者に届け、良質な映像教材の製作の参考にして頂く代わりに、調査研究対象価格で提供するという形を取り入れたわけです。
 しかし、この事業を開始してかなり経過し、当初に比べて、事業の趣旨やねらいが理解されなくなると共に、製作される社会教育教材は減少し、視聴覚センター・ライブラリーの教材購入費も減り、調査研究参加ライブラリーや生涯学習施設等も少なくなり、昨年は遂にゼロになってしまいました。
 よく「全視連加盟のメリットは?」と聞かれる事がありますが、情報共有から研修会の参加や共同開催、講師派遣、さらに、このような教材提供の背景にも加盟のメリットがある事に気づいて頂き、今年は応募者ゼロだけはならないよう願っています。

2017/03/21

語らないメッセージは伝わらない

 過日、“求められる情報リテラシー”と言うテーマで書き終わり、やれやれと思っていたが、ふと“待てよ!”と、改めて記事一覧を見直してみたら、今から4年前に、同じようなテーマで、しかも同じような内容で書いてあるので、”こりゃ拙い!”削除しました。
 しかし、過去に拘らず将来を考えるひとつのメッセージとして、以前のブログを振り返って再考するのもいいかなと、見直していたら、こんな記事が見つかりました。


ある研究大会の主催者挨拶で「メディアは学習の道具である」と、声高に語られているのを聞きました。
 かなり前から言われ続けているフツーの考え方です。
 なのに、さもさもメディア利用の今日的な考え方として語られていましたし、参加者の中には、「それって前も聞いたよね・・・」と囁き合う姿も見られましたが沈黙を守っていました。
 時代が変わり、環境が変わり、技術が進歩し、人が変わっている現代、めぐりめぐって表現やスタンスが変わり、新しい考え方となって発信されることが多々あります。

 N島みゆきではありませんが“回る回るよ時代はまわる・・”めぐりめぐって今似たような問題状況に当面し迷っている人々は、言われ続けてきているはずの理論も新しい考え方として写るのでしょうか。
 時代を駆け抜けた人々は”過去の話さ”と多くを語ろうとしません。

 しかし、創造や発見は経験や理論の累積や吟味を通して創り出されていくものではないでしょうか、そうだとするならば過去の経験や理論を、思い出話としてではなく、現在をしっかりと認識し理解した上で今日に語り継ぐべき責務があると思うのです。

 そのメッセージのバトンを受け、今の教育状況やメディア環境に合せて翻訳する知恵が、時代に即した新たな理論や実践を創造するエネルギーになると思います。
 語らないメッセージは伝わらない。*年前のメッセージでした。