会議で、視聴覚協会へ赴き、少し早めに到着し、ひとりで会議室に入ると、意外なものを発見!しました。
古びたナトコ映写機がおかれていたのです。
と言っても、お分かりになられる方は、もうあまりいないかも知れません。
戦後70年とよく言われますが、戦後の占領政策を進めるため、連合国総司令部の一組織と、CIE(民間情報教育局)がおかれ文教行政を担当しました。
ナトコ映写機は、映画による民間教育を進めるため、凡そ1.269台とCIE映画が各都道府県に配布されました。
各都道府県は、現在も形として残っている映写機操作講習を行い、ナトコ映写機作免許証を交付し、それぞれの地域においては、ナトコ映写機を使った映画会が行われていました。
ある県の場合、33台のナトコ映写機CIE映画フィルム550本を県内地方に配布し、毎月300~400回の映画会が行われ、観客動員数は月間約30万人を超えたと言われています。(注)
つまり、ナトコ映写機は、CIE映画を上映し民間や成人教育(現在で言えば社会教育)に役立てていたと言えるでしょう。
かつて、地域視聴覚ライブラリーの担当者をさせて頂いた若輩の頃、倉庫の片隅に捨てられていた古びた16ミリ映画フィルムを復元して使った事を思い出させてくれました。
この拙文も“ああ思い出話か!“と流し読みされても結構ですが、映写機がない、傷だらけで使えない、古くて利用価値がない、と廃棄される16ミリ映画フィルムが増えていますが、それぞれの教育映画の持つ意味を改めて考えて直して欲しいものだと思うのです。
引用 注:全視連創立50周年記念誌「全視連創立50周年に寄せて」全視連会長井内慶次郎 2006.6
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