2018/12/01

16ミリ映画フィルムの管理について

 各視聴覚センター・ライブラリーには、多くの16mmフィルムが貸出用として保有されていますが、その管理上の問題について考えてみましょう。 
 16mm
フィルムは大抵、映写用のリールに巻かれ、正方形のケースに入った状態で、常温の棚に保管されていると思います。
 なるべく、年に1回程度ケースからフィルムを取り出して、状態を確認しながら巻き返す作業をすると良いと思いますが、その際に酢酸臭を発しているフィルムが見つかったら気を付けた方がいいです。
 酢酸臭がすると言うことは、16ミリ映画フィルムの劣化が進行している証拠で、この症状をビネガーシンドロームと言うそうで、劣化の進行を止めることはできませんが、冷蔵または冷凍保管することによって、進行を遅らせることは可能のようです。
 
また、劣化したフィルムの上映はなるべく控えた方がよいかも知れません。 
16mm
フィルムはアセテート・フィルムという種類で、燃えないわけではありませんが、常温で自然発火することはありません。 
 温度と湿度が低く一定に保たれた適切な収蔵環境を持っている場合で、フィルムをリールから外して3インチのコアに緩く巻き直し、長期保存用の通気の良いケースに入れ替え、水平置に保管しておくとよいでしょう。 
 ケースにもよりますが、複数のケースを積み重ねない方が良いようです。
 
劣化が進行しているフィルムを、袋やケースから出して巻き返すと、酢酸臭が弱まることもありますが、劣化の進行が止まるわけではありませんので、低温低湿の環境で保管するとよいと思います。

2018/11/30

平成30年度全国大会合同大会速報

 1116日(金)・17日(土)の両日、第22回視聴覚教育総合全国大会並びに第69回放送教育研究会全国大会合同大会が、「ネットワーク社会におけるメディアとヒューマンコミュニケーション」をテーマに、広島市の国際会議場をメイン会場として開催されました。

▼第1日(11月16日)
第1日は、各会場校・施設において公開保育・授業が実施されました。
 全視連は、広島市映像文化ライブラリーにおいて施設見学や事業紹介に続いて、意見交換会が行われ29名の方々が参加されました。

意見交換会

〇全視連理事会
 施設見学や意見交換に続いて、全視連理事会を同ライブラリーにおいて実施されました。
 理事会では平成30年度事経過報告書(案)および同中間決算報告書(案)が議事として提案され、異議なく承認されました。
 なお、本年度は全国公立視聴覚センター連絡協議会の総会は文書にて承認を得ることとなりました。
〇功労者表彰式
 会場をひろしまおりづるタワーに移し、各団体の功労者表彰式が執り行われました。
全視連は、視聴覚教育功労者7名のうち3名の方々が出席されて、生田孝至全視連会長から盾が一人ひとりに贈られました。                                

                                               
                視連視聴覚教育功労者表彰
 続いて行われたレセプションには関係者150名が出席されました。

▼第2日11月17日(土)
 第2日目国際会議場において、午前は6つのセミナー・ワークショップが実施され、全視連ではセミナー「視聴覚ライブラリーが地域メディアセンターとなるために」をテーマに実施しました。         

全視連セミナー
             

また「子どもを対象にした事業への取り組み」をテーマに佐藤武氏(広島市映像文化ライブラリー)、「小学校における映像制作学習支援と地域映画会・特別映画会の開催」をテーマに渡辺景一氏(日立市視聴覚センター)、「感性を育み知性を磨く機能と役割に期待する」をテーマに丸山裕輔氏(全視連副専門委員長・新潟県阿賀町立上条小学校)による発表が行われました。


実践発表

                               
 対談「未来を創造する力」
(作家・和田竜氏×広島市立川内小学校長・山田氏)

対談の他「NHKプレゼンテーション」や「大会のまとめ(園田学園女子大学・堀田博史教授)」、ICT機器等が当たる「抽選会」が実施されました。

注:全国大会の詳細情報については、視聴覚教育時報やホームページ等でお伝えする予定です。

  



 




           
        


 





















2018/11/11

意外なアンケート結果!


「全視連推奨作品提供事業」をご存知ですか?
 
今更、何を言うのか!とお叱りを受けそうですが、かなり前には国の補助事業として、映像教材普及事業が実施されていた過去歴もありました。
 以後、全視連主体事業として「新教育映像普及事業」の名称で実施してきた事業ですが、一昨年より「全視連推奨作品提供事業」と事業名を変えて実施しているのです。
 この事業目的は、全視連が各映像教材製作販売会社の協力を得て、質の良い映像教材を選んで推薦し、その利用効果を利用者の視点から調査しまとめて頂き、映像教材製作販売会社等に情報提供し、更なる優れた映像教材の企画製作そして利用に生かして頂こうと言う事業で、さらに各映像教材製作販売会社の支援により“調査研究価格”を設定して“特別価格”で購入できるようになっているのはご存知だと思います。
 最初は、視聴覚センター・ライブラリーだけでなく、他の映像教材利用を目的とした団体や機関から多数の応募がありましたが、次第に、この事業に参加される施設や団体が漸減し、最近はわずかになってしまいました。
 視聴覚ライブラリーの映像教材ニーズが減退している傾向にありますが、優れた映像作品についてはその価値観をしっかりと認識して頂きたいと思いますし、また全視連側としては、利用者が求める映像作品情報を知るため、各映像教材製作販売会社と協議して、本年度より講師派遣事業と連携して、各視聴覚ライブラリー関係者や利用者に「全視連推奨作品提供事業」に関するアンケートをお願いすることになり、すでに講師派遣事業を終了したところから順次アンケート結果の取りまとめを行っているようです。
 まだ、取りまとめの過程ですので、決定的な事は言えませんが、現時点での傾向を言わせていただければ、期待した程良い状況は見えていないようです。
 一例ですが「全視連推奨作品提供事業」と言う事業を、知っていますか?の設問についての回答を見ますと、利用者が知らないとの回答がかなり多いのはやむを得ないとしても、肝心の担当者はじめ視聴覚ライブラリー関係者が、かなりの数で“知らない“と回答しているのには衝撃を受けています。
 簡単に言えば、全視連側の啓蒙普及のための情報提供不足が大きな要因かも知れません。(反省!)
 視聴覚ライブラリーは”教材貸し出し機能”だけではない、と言われていますが、大切な機能であることには変わりはありません。
担当者はじめ関係者の方々には「全視連推奨作品提供事業」についても、ご理解とご協力を頂けたらと思っています。




2018/10/05

子どもの心を揺さぶった映画の話


猛暑、豪雨、地震、台風と自然の猛威に振り回される日々―
災害に合われた地方の皆様は,ざぞ大変な日々をお過ごしの事と心よりお見舞い申し上げます。
季節は巡ると言いますが、時代も大きく変わり、かつて学校教育の授業で映画やテレビを主とした視聴覚教育も大きく変わってきています。
 先日、久し振りに会った先輩が、昔、小学校の視聴覚主任をしていた頃の話を聞かせてくれました。
                  *

若い頃、自分が映画好きだったので、よく学校で、児童劇映画をあまり難しい事は考えもしないで、全校児童に見せる“子ども映画教室”と言うのを開いていたんだ。
 視聴覚主任とは名ばかりでね、子ども映画教室ばかり熱心に(?)にやっていたんだよ。
 ある時ね、校長先生から“児童劇映画を見せる事もいいが、君は教師なんだから、映画を見せることによって、子供達にはどういう教育効果があるのか、しっかりと研究しなければいけない”つまり視聴覚教育の理論をしっかりと勉強しろと指導されたんだね。
 私の視聴覚教育って、こんないい加減なことからスタートしたんだよ。
そうそう、映画と言えば、この間NHKの“ブラタモリ“と言う番組で大谷石の事を取り上げているのを見て、昔、子供たちに見せた “石山の歌“と言うタイトルの児童劇映画を思い出したんだよ
 この映画はね、大谷石を手掘りしていた頃の話で、大谷石を手掘りで採掘していた共働きの親たちが 仕事で疲れ、家に帰ってきても、子供と団らんする事や家事すらできなかった過酷な労働環境から、少しでも、気持ちがやすらぐよう家庭の状況を改善したいと、音楽の得意な先生が子供たちとともに「石山の歌」と言う歌を作り歌うことにより親子の気持ちを明るくしていったという話を映画にしたんだそうだ。
 私は、もう、ストーリーすら覚えていないけど、そこに流れた歌と、厳しい労働に取り組む両親の仕事ぶりの映像を見ていた大勢の子供がすすり泣いていたのを思い出すんだ。
ところがね、この歌は、当時の城山小と言う学校の先生が作曲して、子供たちが作詞したもので、今でも石碑に描かれて残っていると聞いて驚いたね。
実話だったんだね 
その歌はー
チャッキンコーン チャッキンコーン
父ちゃん石おこし  石かたかんべんな
腰が痛かんべ  腰もんでやっかんね 
かあちゃんこっぱはき しょいこおもかんべなあ
かたがはっぺな かたもんでやっかんな
   チャッキンコーン チャッキンコーン 
  引用:作詞:城山中央小学校児童 作曲 杉浦すみ(同校教諭) 教配映画「石山の歌」     
と、まあ、こんな歌だったような気がするんだ(記憶違いだったらゴメン!)
それからね、後日開かれた父母会の際に、大勢のお母さん方が、その映画を是非見せてほしいと言い出したんだ、何故?って聞いたら、その映画を見た子供たちがね、家での仕事を手伝ったり兄弟で教え合って宿題をしたりするようになってきた。と言うんだよ。
もしね、私が、そういう子供たちの心の変容を期待して、この映画を見せていたとしたら、我ながらハナタカなんだけど、残念ながらそんな教育意図すら持たなかったダメな視聴覚主任だったんだよ。」
                 *
先輩は、ここまで話すと、当時を思い出すように、じっと窓の外を見つめていました。
 今日と言う時代、ICT化等により教育方法の進化充実を図る事は不可欠だが、底を流れる人間を育てる教育は変えてはならないな、と思いました。           
               

 

2018/08/29

担当者が学ぶ


  ある公立視聴覚センターのHPに、自エリア内の視聴覚ライブラリー担当者の研修(会議でも連絡会でもなくあくまでも研修)を実施していることが書かれてありました。
 どこにでもある話ですが,生涯学習関係者や地域の方々を対象に学習機会を提供している肝心のライブラリー担当者は,自分の仕事に関する事を学ぶ機会は用意されているのでしょうか?
 例えば、人事異動等で,新たに担当者となった方や他の仕事と兼務することになった方々自らが担当するライブラリー業務や運営に関わる知識や情報はどこで誰から学んだらよいのでしょうか?
 教育メディア利用等に関する一般論や情報は兎も角、担当者にとって基本となる,自らが担当するライブラリーマネジメントの理念や業務運営に関する具体的方法などを学ぶ機会は、そう多くはないように思うのです。
 業務運営は、日常的に行われるものですから、よく理解できない場合などは、結局従来通りの業務や運営をそのまま引き継いで行う“マンネリライブラリー”になりかねません。
 そこで最も言いたいことは、視聴覚ライブラリー担当者自らが行っているライブラリーマネジメント及び業務運営等に関する研修の機会や、同じ担当者同士と学び合える学習機会が必要で、それを行えるのは、冒頭に述べた研修機能を持つ視聴覚センターだと思うのです。
 それも、年に一度的な講演会的発想ではなく、地味ですが、日常的業務や運営に関わる具体的な取り組み方等を、ICT等を利用したり手引書を作ったりして、時間的に余裕のない担当者がフレキブルに学ぶことのできる実効的な研修機会の提供が行えればと期待しているのです。

2018/08/15

教材の配信利用が可能に


 また、著作権の話で申し訳ありません。
 ご存知の事と思いますが、平成
285月、著作権第35条の一部が改正され、3年以内に施行されることになっているようです。
 みなさんも既にご存知のように、著作権法第35条は教育における例外規定として著作権者の許諾を得なくても、教員自らが行う授業で著作物を複製したり、独自の教材に加工したりして利用する事が容認されてきました。
 しかし、今までは、学習管理システムを使って、サーバーに保存し、異空間にいる指導者や学習者への教材配信、eラーニング等での利用は著作権侵害に当たるとして認められていませんでした。
 今回の法改正により、補償金制度を設けるなどして、前述の教材配信やeラーニング等による利用でも、著作権者の許諾が不要とする事になり、その規則が平成28年5月より3年以内に施行されることになっているようです。
 このブログを読まれる方々は、学校教育の場合はわかるけど、社会教育関係はどうなっているの?と思われるでしょう。
 簡単に言えば、公民館、青年の家などの社会教育施設等で、その社会教育施設が行う年間教育計画に基づいて利用する場合、学校同様に著作権者の許諾が不要で利用が可能だと言われます。
 今回の改正では、著作物の不正利用等違法行為に対しては、補償金の請求、あるは訴訟など権利者側の権利がかなり強くなったように思われますので、教育機関として、今後教育施設内での著作物の利用については十分に配慮する必要があります。
 また「補償金って利用者自身が払うの?」と言う疑問も出てくると思いますが、補償金については、まだ具体的な方法は検討中のようですが、例えば利用者が直接支払ったりするのではなく当該教育機関が支払うというシステムも検討されているようです。


2018/07/27

地域自作視聴覚教材コンクール入賞作品の二次利用


 西日本災害と猛暑、そして異例台風
被災された方々には、この猛暑の中さぞ大変な日々をお過ごしの事と拝察し、心からお見舞い申し上げます。
さて、今回は視聴覚センター・ライブラリー関係の著作権問題を取り上げたいと思います。
 「え、また著作権の話?去年の8月頃のブログにも書いてあったよ!」とお小言を頂戴しそうですが、実は今回の著作権の話は前回とはちょっと視点が異なる話なのです。
 つまり、昨年は、各加盟団体等が実施している自作視聴覚教材コンクールに制作出品される方々に、主催者側である加盟団体や視聴覚教育関係施設として、肖像権をはじめ音楽や映像等を利用する場合の著作権等がクリアされているかどうかについて、募集要項や審査過程で十分に留意することが必要です。的な趣旨だったと記憶しています。
 今回は、ちょっと視点が異なるのです。
 よく、地域の自作視聴覚教材コンクール入賞作品を、視聴覚センター・ライブラリーが貸し出しを行ったり、webサイト等にUPして、閲覧したり或いはコピーして利用できるようになっているケースが多くみられます。
 教育現場あるいは地域のグループ活動等で,優れた地域自作視聴覚教材が手軽に利用できるわけですからこんな素晴らしい話はありません。
 しかし、その自作教材を視聴覚ライブラリーとして、貸し出しをしたり、自ホームページに掲載して自由に閲覧したりあるいはコピーして利用できるようにするつまり著作物の二次的利用については、自作教材制作者の許諾を得ておく必要があります。
 いくつかの視聴覚センター。ライブラリーのwebサイトにUPされている地域自作視聴覚教材を拝見しますと、権利処理関係についてしっかりと明記されている所、視聴覚ライブラリーに利用申請しPWを得てから利用できるシステムを作ってある所、まったくフリーに利用できる所等々多様な傾向が見られます。
 優れた地域自作視聴覚教材になればなるほど、利用者側としては大変役立つ事と思いますが、中には自分達の利用目的に合うように勝手に切り取ったり加工したりして利用されたりする事もあり得ますので、地域自作視聴覚教材入賞作品制作者の許諾を得て、貸し出しwebサイト等にUPにして二次利用を行う各視聴覚センター・ライブラリー等では入賞作品の貸し出しや無断複製等については注意が必要です。
 SNS利用が日常化し、インスタグラムやFB等で、プライベート写真や動画が自由に流通している今日ですが、こんな時代だからこそ、人に迷惑をかけたり、他人の権利を侵すような事の無いよう、視聴覚センター・ライブラリーの二次利用についても再チェックしてみる必要があるのではないでしょうか。