以前、「記録映画・むかし」と言うテーマで書かせて頂いた、昭和の中頃、地方の小さな町が制作した16ミリ映画の話をもう一度考えて見たくて取り上げてみました。
この映画は、江戸時代、この地方にあった大きな湖を干拓して新しい村や広大な農地を作り出した歴史を映画化したものですが、その結果として変化している町の様子や、暮らしそして仕事の様子(半世紀以上前)も描かれています。
江戸時代の干拓の経緯が学べる事は勿論ですが、半世紀以上前のわが町の情景や産業、人々の暮らしの映像は、本編のテーマは異なるのですが、今と言う視点から見ると貴重な映像資料となっているのです。
今、多くの視聴覚ライブラリーから16ミリ映画フィルム教材や録画テープ教材の廃棄届が出されていますが、確かに映写機が使えなくなり、フィルムが老朽化して使用できなくなっているのは確かです。
だから、ごみ扱いで捨ててしまっていいのでしょうか?デジタルアーカイブの重要性が認識され、各地でそのための活動が行われている今日、生涯学習や学校教育で学ぶために役立つ貴重な映像コンテンツが映画や録画の一部に記録されているかも知れません。
かつて映像資料のデータベース化(当時はデジタルアーカイブという言い方は普及していなかった)の仕事をした時、どのような考え方で映像資料を収集蓄積したらよいか、研究者の方々に指導を受けた時「はじめは、只のゴミでしかない場合も多いですよ。しかしそれをデータとともに蓄積保存し、時間が経過し状況が変化してゆく中で、只のゴミだった映像資料が貴重な宝になるケースも多いですね」と、話してくれたことを思い出します。
ICT化が進む中で、映像コンテンツをデジタル映像化し、アーカイブすることで、自分達の地域の歴史や自然文化を考える資料として、次世代に引き継いでゆく貴重な役割を果たすのではないでしょうか?
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