過日、筆者が顧問を務めさせて頂いている、地元のフォト&ビデオ同好会の仲間が、近くの溜池に飛来している白鳥の撮影に行く打ち合わせをしました。
打ち合わせと言ったって、多分こんな角度から撮るといいとか、レンズはどうとか、技術的な話をするだけだろうと、会場に行ったら意外な場面が展開されていたのです。
同好会の幹事である元理科の教師S氏が、自分が撮ってきたビデオ映像を映しなら白鳥の習性や生態等について説明しているのです。
仲間は、説明を聞きながら、気軽に質問をしたり、意見を言ったり、時には突っ込みを入れたり、楽しそうにビデオを見て、S氏の話を聞いているのです。
S氏も、仲間ゆえリラックスしてニコニコ笑いながら考えたり答えたりしていました。
1時間程の白鳥の生態についての説明を聞き終わると、今度は仲間の中でも一番写真撮影の経験が豊富で、写真展などで入賞しているNさんが、“さーて、そういう事なら、**ミリ位の望遠レンズが必要だと思うよ、被写体の白鳥は遠くからしか撮れないとなれば・・・云々、飛び立つ所をうまく撮るには、シャッターチャンスが・・とか、白鳥の白さをすっきりと撮るには逆光のポジションより、池の東側にカメラを持ち込んだ方がいいなあなど雑談がらみのアドバイスや、カメラを実際に操作して見せ、みんなはそれを見て自分なりにカメラをチェックしてから出かけて行きました。
この会は、小中高校教師を務め終わった先輩後輩が、定年退職後、写真やビデオを楽しもうと声かけあって作った同好会なのです。
この日の白鳥撮影会は、野鳥研究が専門のS氏が、教える立場になって仲間に解説していたという訳です。
筆者は、この場面を見て、前回の”人材の宝庫”の活用を思い出し“そうだ!これも地域における生涯学習のひとつのスタイルだと思ったのです。
つまり、偉い先生を呼んで話を承るだけでなく、それぞれが持つ得意技を生かして教え合ったり、もっと詳しく知るために学び合ったり、そして実際にみんなでやってみる主体的な学び合いもあると思ったのです。
そう云えば、過日行った”古民家撮影会”の打ち合わせの時も、郷土史に詳しいY氏が解説し、そして仲間と一緒に撮影し、その作品は地域の公民館で行う講座「地域に残る古民家」で、生涯大学校の講師をしている仲間のH氏が資料に使って話をしていたケースも、同様な考え方に当てはまる例だと思いました。
しかも、この話を聞いた地域の方々数名は、古民家に興味を持った有志でグループを作り、実際に現地へ出かけ、写真と照らし合わせながら見学するという回りまわる形になっていたのです。
地域の映像づくりや利用についても、自分達の持つ知識や経験を生かして教え合ったり、あるは仲間の話を聞いて興味や知識や技術を深めたり、さらには、学んだ結果としての写真やビデオ映像を整理して公的な施設(例えば視聴覚ライブラリーや図書館等)に蓄積し、その映像資料を使っての座学や興味を持った同士でフィールドワークを行って深める生涯学習のスタイルを、同好会の仲間達は知らず知らずのうちに行っていた事に気が付いたのです。
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