前回の続きになりますが、優れた地域映像教材・作品を拝見すると、改めて映像教材や作品の制作・利用・学習機会提供に関する機能は、視聴覚センター・ライブラリー独特の得意技だなと思います。
しかし、全国的に見ると、前述のような得意技を十分に発揮している視聴覚センター・ライブラリーはそうは多くないように思われます。
この欄でも何度か取り上げていますが、現在、或はこれからの時代を見通した時、メディア・リテラシーの重要性は誰もが認めている所だと思います。
メディアを批判的に読み解くと、よく言いますが、肝心の映像がどのような考え方で作られているのか理解できなければ、本当の意味のメディア・リテラシーは育たないと思うのです。
かつて、宮本輝作の「泥の河」を映画化した小栗康平氏が著書の中で次のように述べています。
「家庭でも学校でも、大人になって社会へ出てからも映像の見方は誰も教えてくれません。学校でも映像をわかりやすい情報として活用しているだけで映像とは何かという根本的な問いはありません」注:「映画を見る目」NHK出版2005
確かに、メディアは何であれ、映像が、子供達の感受性と、その成長に大きく関与しているのですが、学校は無論、社会教育等においても殆ど触れられていませんし、それについては、ごく一部の方々を除き無関心なのが現状でしょう。
「伝えたい思い」を映像や言葉、音響等総合的な表現によるメッセージとして発信し、そのメッセージを見聞きした人々それぞれの受け止め方で伝わった時に、はじめて映像メディアとしての特性が発揮されたことになると思うのです。
今日のICT社会において、上記のような映像について学ぶ機会を持ち、自主制作したり、制作グループを養成し支援する環境や条件を持ちうるのが、視聴覚センター・ライブラリーではないでしょうか。
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