2015/02/16

生きている!アナログメディア

東日本大震災による津波で、16㍉映写機も失った、被災地の視聴覚ライブラリーへ、使われていない16㍉映写機を保有している所があるなら、被災地の視聴覚ライブラリーへ送ろうという運動を展開したことを思い出します。

毎年、年度末になると、16㍉映画フィルムの廃棄届が提出されたり、**視聴覚ライブラリーが廃止になるとか、**県の加盟団体が退会するそうだというような辛い話が伝わってきます。

しかし、そう云うネガティブな話題もさることながら、よく情報収集してみると、各地で、同好会やボランティアグループによる映画や紙芝居の上映会上演会、地域映像の自作や配信が静かに行われている所もある事が見えてきます。

4kテレビ映像だ、Youtubeだ,スマホ動画だと、新しい映像メディアが増えて、誰もが気軽に利用されている反面、メディアが悪用される事も増えています。

このように多様化したメディア環境を有効に扱う知識や能力が、今日、最も必要な時代になっているとも言えます。

アナログ発想による上映会や紙芝居会も、只、見るだけでなく、先端メディアだけではフォローしきれない、上映会上演会に参加している人々が、お互いの顔や表情を見つめ合いながらコミュニケーションできる利点を持っていると言えます。

超高齢化社会と言われ、ひとり暮らしが増え、誰かと話す機会すら減ってきている時代に入り、仲間と映画や紙芝居を見ることにより、メディアを媒体として、思いを共有したり、話し合ったりして、生きる気力を養う事を可能にしていると言われます。

所で、現在、全国にどれだけの16㍉映画フィルムが所有されていると思いますか?

今年度の調査によれば、総計約22万4千本もの映画フィルムが保有されており、古くて利用価値の少ないフィルムや修復不可能なフィルムもありますが、中には貴重な映画フィルム等もあると思うのです。

こんなに多くの映画フィルムがゴミになる可能性が高いのです。

また、その映画フィルムを上映する映写機も、相当数ありますが、故障したら部品の補充が出来ず、放置されたり、捨てられたりしています。

別に、16㍉映画復活論を述べようとしている訳ではありません。

例え一時期的にしか、使えなくとも、これらのアナログメディアを、映写機を使って見せたと云う要望があれば、修復し、部品交換をするとか、費用の問題も出てくるでしょうが、貴重だと考える16㍉映画フィルムをデジタル化するサービスを行うシステムが出来ないだろうか?と言う事です。

被災地等でのボランティア活動のように、関係者が持てる力を出し合って、自主的に環境整備サービスを行い、地域の上映会活動をサポートすることによって、メディア利用基盤の整備をフォローし、やがて、さらなる新たなメディアニーズにも繋がるのではないでしょうか。

現実的には、実現不可能かもしれませんが、誰かが声を上げ、“そうだやってみよう”という同感者が現れる事を期待したいのです。

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